【マネジメント】コンプライアンス分岐点

ほとんどの大企業でコンプライアンス教育がなされています。それも毎年、定期的に。
法令順守だけでなく、人間として正しいのかという倫理観も含みます。

皆さんも日常業務の中でコンプライアンスを意識するケースがあると思いますが、その場合、通常は担当者レベルあるいは直属上長レベルで判断ができるものがほとんどであり、コンプライアンス遵守は難しくありません。容易です。

しかし「重大なコンプライアンス違反ほど是正されず放置される」傾向があります。この事例には枚挙にいとまがありません。なぜでしょうか?

重大な案件ほど会社にとって大きなダメージを与えるにも関わらず、是正されず放置されるのです。
その理由は、「人間の弱さ」にあります。
面倒なことには関わりたくない。これが人間の本質です。

その結果、現場の軽微なコンプライアンスは遵守されるが、重大なものは長期に渡り放置されてしまうのです。
長期に放置されていたものですから、その責任は昔の管理職などにあります。自身がその役職に就いたとき、それを率先して是正できるかということになります。

昔の管理職は自身の元上司であったり、自身を昇格推薦してくれた上司であることも多いため、実施が難しいのです。
重大なコンプライアンス違反は会社だけでなく、その歴代の担当者、責任者にもダメージを与えます。だから出来ないのです。

・不正会計
・不正検査、データベース改ざん
・消費期限改ざん、偽装
・機密情報の不正入手、不正持ち出し、盗用
・経営層のパワハラ、セクハラ
など

これらは教育だけでは改善されません。経営層の覚悟が必要なのです。
自身や先輩の保身ではなく、会社全体、会社の従業員全員、お客様のために正しい意思決定をする覚悟があるか。

重大なコンプライアンス違反の是正には分岐点があります。放置の道を選択するか、是正の道を選択するかの二択です。

換言すると、「バレなければ社内は何も起こらない(お客様に健康被害や火災事故などの悪影響が及ぶものがある)」が、「バレたら大変」という分岐点です。

皆さん、どちらの道を選択しますか。迷わず是正の道を選択する者が経営トップ・組織のトップ・政治家にふさわしいのです。

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